高齢猫がトイレの手前で排泄したり、トイレ以外でうんちをしてしまったり…
そんな「急なトイレの失敗」に悩んでいませんか?
年齢を重ねた猫は、筋力や認知機能の低下、ストレス、病気などさまざまな原因でトイレにまつわるトラブルが増える傾向があります。
猫と暮らしてきて20年のまことです。特にシニア猫のお世話は得意なので、このブログではその経験をいかし、情報発信していきます。
この記事では、高齢猫のトイレの失敗に関するよくある原因と、家庭でできる対策をわかりやすく解説します。
トイレの選び方(低い・ニトリ製・手作りなど)や、失敗を防ぐための工夫、獣医に相談すべきタイミングもご紹介。
愛猫が快適に老後を過ごせるよう、正しい知識と対応を一緒に学びましょう。
高齢猫がトイレを失敗する主な原因
年をとった猫にとって、トイレの失敗は珍しいことではありません。原因を正しく理解することで、無理のない対応が可能になります。以下では、代表的な要因を解説します。
老化による筋力・認知機能の低下
高齢猫は筋力の低下により、トイレにたどり着く前に排泄してしまうことがあります。
また、認知機能の衰え(猫の認知機能不全症候群)により、トイレの場所を忘れることも。
特に夜間や寝起きに粗相が増える場合は、老化が大きく関係している可能性があります。
猫がトイレの手前でする理由とその心理
トイレの入口が高すぎたり、出入りがしにくい場合、手前で排泄することがあります。
また、「トイレが嫌」と感じているケースでは、あえてトイレの外ですることも。
これは場所が気に入らない、掃除が行き届いていないなど、環境への不満のサインです。
トイレで寝る・はみ出すなどの異常行動
高齢猫がトイレで寝る場合、快適な寝場所が他にない・トイレが安心できる場所だと感じている可能性があります。
また、トイレからはみ出すように排泄するのは、トイレのサイズや形状が合っていないサインかもしれません。
段差が低く、出入りがしやすいトイレに変えるだけで改善するケースもあります。
猫がトイレ以外でうんちをする理由は?
「トイレ以外の場所で大便をしてしまう」──そんな行動には明確な理由があります。
猫はわざと粗相をしているわけではなく、何らかの不満や異常を伝えようとしている場合が多いのです。
猫がトイレ以外で大便するのはなぜ?
猫がトイレを使わず他の場所でうんちをする場合、まず考えられるのはトイレそのものへの不満です。
トイレが汚れている、においが気になる、場所が落ち着かないなど、猫にとって「安心できないトイレ」だと使いたがりません。
また、急な失敗が続くときは体調不良の可能性も視野に入れる必要があります。
わざと粗相しているように見える理由
猫が目の前で粗相をするような行動をとると、「わざとやっている」と感じるかもしれませんが、実際には不安やストレスの表れであることがほとんどです。
家族構成の変化、引っ越し、大きな音など、環境の変化によって一時的にトイレ以外での排泄が増えることがあります。
猫のうんちの失敗、病気やストレスの可能性
高齢猫の排泄失敗は、腸の不調や神経系の問題など、体の異常が関係していることもあります。
また、便秘や下痢などの症状がある場合は、早めに動物病院での診察を受けましょう。病気の早期発見にもつながります。
猫トイレの工夫とおすすめ対策
高齢猫が快適にトイレを使えるようにするには、飼い主のちょっとした工夫がカギになります。
ここでは、実際に効果のあるトイレ改善策をご紹介します。
低いトイレ・手作り・ニトリ製などの選び方
高齢猫には「またぎやすさ」が大切。段差が低く、出入りしやすいトイレを選ぶのがポイントです。
市販の中では、ニトリや無印良品などの収納ボックスを使った手作りトイレも人気です。
滑りにくい素材や広めの設計のものを選ぶと、猫の足腰への負担を軽減できます。
安心できる設置場所とトイレの数の工夫
静かで落ち着ける場所にトイレを設置しましょう。
家族の動線や騒音から遠ざけることで、猫の安心感が高まります。
また、高齢猫には「1匹につき2個」のトイレを用意するのが理想です。
夜間用と日中用を分けることで、失敗を減らすことができます。
トイレの形・素材・掃除頻度の見直し
猫は非常に清潔好きな動物です。トイレの素材が合わないと、肉球に不快感を覚えて使わなくなることもあります。
また、猫砂の種類やにおいも重要なポイント。
毎日こまめに掃除し、汚れやにおいをため込まないようにしましょう。
嫌なにおいを防ぐために、脱臭効果の高い砂を使うのもおすすめです。
猫が急にトイレを失敗する場合の対応策
「今まできちんとできていたのに、急にトイレを失敗するようになった」──それは猫からのサインかもしれません。
ここでは、急な変化があったときに考えられる原因と、飼い主としての適切な対応方法を解説します。
環境変化やストレスが原因になることも
引っ越し、家具の配置換え、来客、ペットの追加など、環境の変化は猫にとって大きなストレスです。
敏感な猫は、こうした変化をきっかけにトイレの場所を忘れたり、わざと外したように見える行動を取ることがあります。
できるだけ落ち着ける空間を維持することが大切です。
病気のサインを見逃さないチェックポイント
トイレの失敗が急に増えた場合、腎臓病、便秘、膀胱炎、認知症などの病気が原因の可能性があります。
排泄回数が増えたり減ったり、においや色に変化がある場合は要注意です。
定期的に排泄の状態をチェックする習慣をつけましょう。
いつ獣医に相談すべきか?判断基準を解説
次のような症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診してください。
- 何度もトイレに行くが出ていない
- 血尿や異常な色・においがある
- 食欲や元気がなくなっている
- 粗相の頻度が急激に増えた
早めの受診は、大きな病気の早期発見にもつながります。少しでも異変を感じたら、迷わずプロに相談しましょう。
🐾 高齢猫のトイレ対策チェックリスト
チェックリストを作りましたので、やってみてくださいね。
✅ 環境・トイレの見直し
[ ] トイレの縁が低く、またぎやすいデザインになっている
[ ] 出入りしやすいように、段差や滑りやすい床を改善した
[ ] トイレの大きさは猫の体に対して十分広い
[ ] 静かで落ち着ける場所にトイレを設置している
[ ] トイレの数を「1匹あたり2つ」以上確保している
✅ トイレの清潔管理
[ ] 毎日1回以上トイレを掃除している
[ ] 猫砂は好みに合ったものを使用している(粒の大きさ・においなど)
[ ] 定期的にトイレ容器を丸洗いしている
[ ] トイレの素材が猫の肉球に不快感を与えていない
✅ 健康・病気のチェックポイント
[ ] 排泄回数・量・においに異常がないか毎日確認
[ ] 便秘や下痢、血尿などが見られないかチェック
[ ] 排泄時に痛がる様子はない
[ ] 上記の異常が見られた場合、すぐに動物病院に相談する
✅ ストレス・認知機能のサイン観察
[ ] 最近の環境の変化(引っ越し、模様替え、来客など)を記録
[ ] トイレの場所を忘れる、徘徊するなどの行動が見られる
[ ] トイレ手前での粗相や、寝床にうんちをすることがないか観察
[ ] スキンシップや声かけなど、安心できる環境作りをしている
まとめ
高齢猫のトイレの失敗には、「老化」「病気」「トイレ環境の不備」など、さまざまな要因が関係しています。
猫がトイレの手前でする、はみ出す、トイレ以外でうんちをしてしまうといった行動は、必ずしもわざとではなく、体や心のSOSかもしれません。
まずは猫に合った低いトイレを用意し、静かな場所に設置するなどの工夫から始めましょう。
ニトリなどのグッズを活用した手作りトイレも有効です。
さらに、急な失敗が続く場合は、ストレスや病気の可能性も考慮し、早めに動物病院に相談することが重要です。
飼い主が正しく理解し、やさしく寄り添うことが、愛猫の健やかな老後を支える第一歩です。