私は20年以上猫と暮らしてきました。これまでに何匹もの猫と日々を過ごし、その中でも特に長く寄り添ってくれたのが、18歳まで生きた「リク」です。
猫と暮らしてきて20年のまことです。特にシニア猫のお世話は得意なので、このブログではその経験をいかし、情報発信していきます。
私は20年以上猫と暮らしてきました。これまでに何匹もの猫と日々を過ごし、その中でも特に長く寄り添ってくれたのが、18歳まで生きた「リク」です。
リクは歳を重ねるにつれて、少しずつ食欲が落ちていき、ご飯を食べない日が増えるようになりました。
その度に「このままで大丈夫だろうか」「もっと食べてほしい」と不安になり、試行錯誤を繰り返したことを今でも覚えています。
現在は3歳の「ウミ」と暮らしていますが、リクとの経験は私にとって大切な学びとなり、「高齢猫がご飯を食べないときにどう支えればいいのか」を常に考えるきっかけになりました。
この記事では、リクとの暮らしの中で実際に役立った工夫や、獣医師に相談して学んだことを交えながら、高齢猫がご飯を食べないときの原因と対策についてお話ししていきます。
リクがご飯を食べなかった日々の記録と学び
実際に直面した「突然食べなくなった日」
リクが15歳を過ぎた頃から、少しずつ食欲に波が出てくるようになりました。ある日、いつものように朝ご飯を用意したのに、一口も口をつけずにそのまま寝てしまったことがありました。
これまで食欲旺盛だったリクが突然食べない姿を見て、胸がざわつき、不安で仕方ありませんでした。
「たまたま気分が乗らなかったのかもしれない」と思いつつも、翌日もほとんど食べない…。その時の焦りや心配は、今でも鮮明に覚えています。
どんな工夫をして、どう効果があったか
その頃、私が試したのは次のような方法でした。
ご飯を少し温める
電子レンジで数秒温めると、香りが立って食欲を刺激できました。実際に、ほんの数口ですが食べてくれた時は心からホッとしました。
ふやかして柔らかくする
ドライフードをぬるま湯でふやかすと、口当たりが良くなり、リクも口をつけやすそうにしていました。歯や口の違和感がある高齢猫には、この工夫が特に有効でした。
好きなトッピングを少し加える
かつお節やチュールをほんの少し混ぜると、食べ始めるきっかけになることもありました。ただし、与えすぎないよう注意しました。
これらの工夫を繰り返すうちに、「今日は温めた方が食べる」「このトッピングだと口をつけやすい」など、リクなりの好みや体調の傾向が少しずつ分かってきました。
「あの時こうしておけばよかった」と感じた反省点
一方で、今振り返ると「あの時もっと早く獣医さんに相談すればよかった」と思う場面もありました。
食べない原因が病気によるものなのか、ただの気分なのか、素人では判断がつきません。
数日様子を見すぎてしまい、リクの体重が減ってしまったこともありました。
高齢猫が丸一日以上ご飯を食べないときは、すぐに病院へ連れて行くべきだと今では強く感じています。
一般的な原因と対策
高齢猫がご飯を食べなくなるのには、いくつかの代表的な原因があります。リクの経験を通じて実感したものと、獣医師から聞いた知識を組み合わせてご紹介します。
老化による嗅覚低下
猫は匂いで食欲を感じる生き物ですが、年齢とともに嗅覚が鈍くなり、食べ物の魅力を感じにくくなります。
👉 対策:ウェットフードを温めて香りを強める、嗜好性の高いフードを試す。
口腔トラブル
歯周病や口内炎は高齢猫に多く、食べたい気持ちはあっても「痛くて食べられない」状態になります。
👉 対策:フードをふやかす、柔らかいタイプに切り替える。口臭やよだれがある場合は必ず獣医師に相談。
病気の可能性
慢性腎臓病や肝臓疾患、消化器系のトラブルは、高齢猫で非常に多く見られます。食欲不振はその初期サインであることも少なくありません。
👉 対策:数日食べない場合はすぐ受診。血液検査や尿検査で病気の早期発見につながることも。
環境の影響
騒がしい場所、食器の高さや素材が合わない、ストレスなども原因になります。
👉 対策:静かで落ち着ける場所に食器を置く。体に負担がかからない高さを調整する。
まとめポイント
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高齢猫の「食べない」は決して珍しいことではない。
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ただし、「老化のせい」と決めつけるのは危険。病気のサインかもしれない。
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工夫できることは試しつつ、迷ったら早めに病院へ。
リクとの日々を通して学んだのは、飼い主の小さな観察と工夫が猫の安心につながる、ということでした。
動物病院に相談すべきタイミング
高齢猫がご飯を食べないとき、「もう少し様子を見ても大丈夫かな?」と迷う飼い主さんは多いと思います。
私自身もリクのときに迷い、受診を遅らせてしまったことがあります。ですが、経験から言えるのは “早めの受診こそ安心につながる” ということです。
動物病院に相談すべきタイミングの目安は次の通りです。
- 丸1日以上、まったく食べない
- 水まで口にしない
- 体重が急に減ってきた
- 繰り返し吐く、下痢をしている
- 元気がなく、ぐったりしている
- 口臭が強い、口の周りを気にしている(口腔トラブルのサイン)
これらの症状があるときは、「しばらく様子を見る」のではなく、できるだけ早く獣医師に相談するのが安心です。
検査で何も異常がなければそれで安心できますし、もし病気が隠れていても早期発見・早期治療につながります。
まとめ
高齢猫がご飯を食べないとき、それは「単なる気まぐれ」ではなく、体からのサインかもしれません。
リクとの18年間で学んだのは、次の3つです。
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観察すること
食欲・体重・排泄などを日々記録し、小さな変化に気づく。 -
工夫すること
香りを立てる、ふやかす、食器を変えるなど、飼い主にできる工夫を試してみる。 -
迷ったら相談すること
「大丈夫かな?」と思ったときこそ、獣医師に相談するタイミング。
猫のご飯は健康のバロメーター。飼い主のちょっとした工夫と早めの対応が、猫の快適なシニアライフにつながります。
リクから学んだことを、今は一緒に暮らすウミ、そして同じように高齢猫と暮らす皆さんの愛猫にも役立ててもらえたらうれしいです。